チーピンとは、ゴルフスイングにおいてボールが左に大きく曲がるミスショットのことです。
麻雀の筒子(ピンズ)の7の絵柄が大きく左に曲がる形に似ているため、一般的にチーピンと呼ばれています。
程よいフックはドローと呼ばれ、アゲンストの風に強かったり、ランが出て飛距離を稼げる等、良いことずくめなのですが、チーピンは飛距離は出ないし、左にどこまでも転がっていきOBになることも増えますので、何とか対策して治したいものです。
しかし、チーピンが出るゴルファーは、間違いなく中級者以上の方で、インサイドアウトのスイングが出来ている方がほとんどです。
したがって、悲観的になるのではなく前向きに捉えて、チーピンを治すための原因と対策を理解し、適切な練習方法を取り入れて、是非、克服しましょう。
チーピンの原因
私は日頃から、「ゴルフは物理です。」と説いています。
チーピンという現象を物理的に説明すると、ボールが大きく左に曲がるということですので、クラブヘッドがボールに反時計回りの回転を与えてしまっているということです。
それでは、どういうクラブヘッドの動きがチーピンの原因を作り出しているのか。
原因をあげると、いくつかありますが、大きくは以下の4つの問題の中で、当てはまるものが無いか考えてみましょう。
- グリップの問題:
- グリッププレッシャー(握り)が強すぎると、クラブフェースが閉じやすくなり、ボールが左に飛びやすくなります。
- 左手のナックルが3つ以上見えるようなストロンググリップも同様に、クラブフェースが閉じやすくなり、ボールが左に飛びやすくなります。
- スイングパスの問題:
- スイングパス(ゴルフクラブがスイング中に描く軌道)が過度にインサイドアウトになると、ボールが左に曲がりやすくなります。
- クラブフェースの向き:
- インパクト時にクラブフェースが閉じている(クラブフェースが目標方向よりも左を向いている)と、ボールが左に飛びます。
- クラブフェースが閉じていると、アウトサイドインのスイングパスでも、ボールに反時計回りの回転が付与され、ボールが左に曲がりやすくなります。
- 体の動き:
- 上半身が早く回転しすぎると、クラブフェースが閉じやすくなり、チーピンの原因となります。
- 同様に、上半身が早く回転して下半身の動きが遅れると、手打ちになりクラブフェースが早く閉じますので、チーピンの原因となります。
チーピンを治すための具体的な練習方法
チーピンを根本的に治すには、先に述べました原因に対する対策として、以下にあげる練習をしっかり取り入れることが重要です。
- グリップの練習:
- グリップの強さを調整するために、練習場でクラブを握る強さを変えて打つ練習を行います。強すぎず、弱すぎない適切なグリップを見つけることが重要です。
- グリップの位置を確認し、クラブフェースがスクエアになるように調整します。練習場でグリップの位置を意識しながら打つことで、正しいグリップを習得できます。
- スイングパスの練習:
- スイングパスを修正するために、練習場でインサイドアウトやアウトサイドインのスイングを意識しながら打つ練習を行います。正しいスイングパスを習得するために、ビデオ撮影を行い、自分のスイングを確認することも有効です。
- スイングパスを修正するために、練習場でスイングパスを意識しながら打つことで、正しいスイングパスを習得できます。最初は軽い素振りから始めて、徐々にフルスイングにもっていきましょう。
- クラブフェースの向きの練習:
- インパクト時のクラブフェースの向きを確認し、スクエアに保つ練習を行います。練習場でインパクトの瞬間を意識して目視しながら打つことで、クラブフェースの向きを調整できます。
- インパクト時のクラブフェースの向きを確認するために、ミラーやビデオを使用することも有効です。
- 体の動きの練習:
- 上半身と下半身の動きをバランスよく調整し、スイングの安定性を向上させます。上半身が早く回転しすぎないように注意し、下半身の動きを意識してスイングします。
- クラブと体の一体感を養うために、ドライバーを極端に短く持ってグリップをおへそに付けて、体幹でクラブを振るイメージを練習すると効果的です。
物理的な対策を施す
私の提唱する「ゴルフは物理」とは相性がいい対策法なのですが、これまで述べたクラブフェースの向きとクラブヘッドの軌道を修正する正攻法の対策からすると、若干、邪道な気がしますが、最も即効性が高いのでご紹介だけはさせて頂きます。
グリップを付け替える
グリップを太いグリップに付け替えると、クラブフェースを閉じる操作が緩和され、チーピン防止になります。
何故、太いグリップにすると、クラブフェースを閉じる操作が緩和されるのか、具体的に説明しますと、太いグリップがテコの原理を緩和してくれるからです。
更に具体的に説明すると、グリップすなわちシャフトを反時計回りに回すと、クラブヘッドを閉じる操作になり、この回転はグリップが細ければ細いほど、ほんの少しグリップを回転させただけで、ヘッドは大きく反時計回りに回転し閉じることになります。
端的に言うと、細くすれば操作性が敏感になり、太くすれば操作性が鈍くなるということです。
したがって、太いグリップに付け替えれば、手元の操作が悪さをしにくくなり、チーピン防止になるというわけです。
可変ヘッドを調整する
最近のドライバーヘッドは可変のものが多数出ていますので、ヘッドを開き気味に調整するのも良いかと思います。
可変の方法はそれぞれのメーカーにより異なりますが、ほとんどの場合は、ロフトを少し立てるかライ角をフラットにすると、クラブフェースは開きやすくなります。
私たちアマチュアゴルファーは、その日の調子によってスイングパスも違ったりしますので、可変ヘッドに頼り過ぎるのはリスクを伴うかもしれませんが、敢えてライ角をアップライトにしてチーピンが出やすいようにして矯正する等の使い方も出来ますので、せっかく持っている機能ですので、是非、活用してみてください。
まとめ
チーピンを治すためには、グリップの調整、スイングパスの修正、クラブフェースの向きの確認、体の動きの調整が重要です。
これらの要素を意識しながら練習を行うことで、チーピンを防ぎ、安定したスイングを習得することができます。
練習場でのビデオ撮影やミラーを使用した確認も有効ですので、積極的に取り入れてみてください。
ゴルフは繊細なスポーツですので、少しの調整が大きな違いを生むことがあります。
焦らず、じっくりと練習を重ねて、理想のスイングを手に入れてください。頑張ってくださいね!