ゴルフシューズには主に「スパイクシューズ」と「スパイクレスシューズ」の2種類があります。一般的に「メタルスパイクシューズ」や「ハードスパイクシューズ」と呼ばれていた金属製のスパイクが靴底に取り付けられているものは、芝生を傷つけやすくゴルフ場のメンテナンスに悪影響を与えるため、現在ではほとんどのゴルフ場で使用が禁止されています。そのため、ここではソフトスパイクシューズをスパイクシューズと呼ぶことにします。
ゴルフシューズを選ぶ際には、まぁまぁのお値段がしますので、スパイクや靴紐の形態やサイズ感等、ここに記載のうんちくを踏まえて失敗しないお買い物をしましょう。
スパイクシューズとスパイクレスシューズ
スパイクシューズ
スパイクシューズは、靴底に取り外し可能なスパイク(鋲)が付いているシューズです。以下の特徴があります。
特徴:
- グリップ力: スパイクが地面にしっかりと食い込むため、スイング時の安定感が高まります。特に斜面や雨の日でも滑りにくいです。
- 交換可能: スパイクが摩耗した場合、交換が可能なので長期間使用できます。
- 重さ: スパイクが付いているため、スパイクレスシューズよりも重いことが多いです。
- 芝生の保護: ソフトスパイクは芝生を傷つけにくく、ゴルフ場のメンテナンスがしやすくなります。
- 鋲の注意点: ソフトスパイクの鋲は使いすぎると、取り外しする穴が摩耗して交換できなくなることがあります。そんな時は以下を試してみてください。
- お湯に浸す: スパイク部分をお湯に浸して、土や砂を柔らかくすることで取り外しやすくなります。
- 専用レンチの使用: 専用のスパイクレンチを使って、しっかりと押し込みながら反時計回りに回します。
- ペンチの使用: それでも外れない場合は、ラジオペンチを使ってスパイクを挟み、慎重に回して取り外します。
- 潤滑剤の使用: 潤滑剤をスパイクの周りに吹きかけて、摩擦を減らして取り外しやすくします。
ソフトスパイクの鋲は、一般的に片足あたり6個から9個程度付いており、1個当たり100円~200円程度します。ですから、1度の交換で、高いものだと200円×片足9個×両足2足=3,600円くらいかかります。鋲の数が多いほどグリップ力が高くなりますが、交換の手間やコストも増えることを考慮する必要があります。
スパイクレスシューズ
スパイクレスシューズは、靴底にスパイクがなく、代わりに滑りにくいパターンが施されており、以下の特徴があります。
特徴:
- 軽量: スパイクがないため、軽くて歩きやすいです。長時間のラウンドでも疲れにくいです。
- 多用途: ゴルフ場以外でも履けるデザインが多く、普段使いも可能です。
- メンテナンス: スパイクの交換が不要ですが、ソールが摩耗するとグリップ力が低下します。
まとめ
スパイクシューズとスパイクレスシューズは、それぞれ一長一短ありますが、私は総合的に鑑みて最近はスパイクレスシューズがお気に入りです。なぜなら、スパイクシューズは鋲の交換をする際にまぁまぁのお金がかかるし、鋲の交換が必要な際はシューズ自体の痛みもそれなりに進んでいるため、いっそのことスパイクレスシューズを履きつぶして、その都度、新しいシューズに買い替える方が経済的にもファッション的にも優れているかなぁと思っています。
靴紐タイプとダイヤル式(Boaシステム)
スパイクシューズにもスパイクレスシューズにも、靴紐タイプとダイヤル式があり、以下の特徴があります。
靴紐タイプ
メリット:
- 調整の自由度: 細かく締め具合を調整できるため、足にぴったりフィットさせることができます。
- コスト: 一般的にダイヤル式よりも安価です。
- 修理の容易さ: 靴紐が切れた場合でも簡単に交換できます。
デメリット:
- 時間がかかる: 締めるのに時間がかかることがあります。
- 緩みやすい: プレー中に緩んでしまうことがあるため、再度締め直す必要がある場合があります。
ダイヤル式(Boaシステム)
メリット:
- 簡単で迅速: ダイヤルを回すだけで簡単に締められ、時間がかかりません。
- 均一なフィット感: 全体的に均一に締められるため、フィット感が良いです。
- 耐久性: 高品質な素材が使われているため、耐久性が高いです。
デメリット:
- コスト: 靴紐タイプよりも高価なことが多いです。
- 修理の難しさ: ダイヤルやワイヤーが故障した場合、修理や交換が必要になることがあります。
まとめ
フィット感や調整の自由度を重視するなら、靴紐タイプが良いでしょう。手軽さや迅速さを重視するなら、ダイヤル式が適しています。最近はダイヤル式の中で、ワイヤー自体で締めるのではなく、足の甲部分を覆っているカバーをワイヤーで締めて、よりフィット感を高くしているものも人気です。どちらを選ぶかは、実際に試し履きをして、フィット感や使い勝手を確認してみてください。
サイズについて
ゴルフシューズのサイズ選びは非常に重要です。センチメートル(cm)や横幅(ワイズ)の表示方法について詳しく説明します。
サイズの表示方法
- 足の長さ(cm): 足の長さは、かかとから一番長い指までの距離を測ります。日本では一般的にセンチメートル(cm)で表示されます。
- 足の幅(ワイズ): 足の幅は、足の一番広い部分(通常は親指の付け根から小指の付け根まで)の周囲を測ります。ワイズはアルファベットで表示され、以下のような表記があります。
- A、B、C:非常に細い
- D:細い
- E:標準
- 2E、3E:広い
- 4E:非常に広い
以下は、一般的なワイズのサイズ表です。メーカーやブランドによって若干の違いがありますので参考程度にご覧ください。
サイズ (cm) | ワイズ (mm) | ワイズ表記 |
24.0 | 210~215 | C |
24.5 | 215~220 | D |
25.0 | 220~225 | E |
25.5 | 225~230 | 2E |
26.0 | 230~235 | 3E |
26.5 | 235~240 | 4E |
27.0 | 240~245 | 4E |
27.5 | 245~250 | 4E |
28.0 | 250~255 | 4E |
自分の足に合ったシューズを選ぶコツ
自分の足にフィットするシューズを選ぶ際の留意点を以下にいくつか挙げておきます。これらはゴルフシューズに限らず、シューズを選ぶ際には当たり前のことですが、つい衝動買いしがちな方へ、しっかり踏まえて選んでいただき、快適なゴルフシューズで快適なラウンドを楽しんでください。
靴下を履いての試し履き
- 実際のフィット感の確認: ゴルフ用の靴下を履いて試し履きをしましょう。実際のフィット感を確認できます。
- サイズの確認: 靴下を履くことで、足のサイズが少し大きくなります。これにより、シューズがきつすぎたり、逆に緩すぎたりしないかを確かめることができます。
- 快適性の確認: 靴下を履いた状態で歩いたり、スイングしたりしてみることで、長時間のプレー中に快適かどうかを確認できます。
- 試し履きのポイント: 足は一日の中で少しずつむくむため、午後に試し履きをするとより正確なサイズが分かります。
フィット感の確認方法
- かかとに指一本: 靴を履いた状態で、かかとと靴の間に指一本が入るくらいの余裕があると良いです。これにより、歩行時の快適さが確保されます。
- つま先の余裕: つま先部分に5mmから10mm程度の余裕があると、足の指が自由に動かせて快適です。つま先が詰まりすぎていると、長時間のプレーで疲れやすくなります。
- 足の幅: 足の一番広い部分が靴の中で圧迫されていないか確認します。足の幅が合っていないと、痛みや不快感の原因になります。
- 歩行テスト: 靴を履いて店内を歩いてみて、足が前後に動かないか、かかとが浮かないかを確認します。歩行時に違和感がないかも重要です。
メーカーごとの違い
- 足型の違い: 各メーカーは独自の足型を使用してシューズを製造しています。そのため、同じサイズでも足の形状に対するフィット感が異なります。
- デザインの違い: シューズのデザインや素材の違いもフィット感に影響します。例えば、あるメーカーのシューズは幅が広めに作られている一方で、別のメーカーは細めに作られていることがあります。
- サイズ表記の違い: 一部のメーカーはサイズ表記が異なる場合があります。例えば、ヨーロッパサイズやアメリカサイズ、日本サイズなど、異なる基準で表記されることがあります。
その他の留意点について
中敷きの活用
デザインが気に入り買ってはみたものの、サイズが合わない場合やフィット感を向上させたい場合に非常に有効です。以下に中敷きを使用する際のアドバイスをいくつかご紹介します。
中敷きの選び方:
- 用途に応じた中敷き:
- クッション性: 長時間の歩行やプレーで足の疲れを軽減したい場合、クッション性の高い中敷きが適しています。
- アーチサポート: 足のアーチをサポートする中敷きは、足の痛みや疲れを軽減するのに役立ちます。
- サイズ調整: サイズが少し大きい場合、厚めの中敷きを使うことでフィット感を向上させることができます。
- 中敷きの素材:
- ジェル素材: クッション性が高く、衝撃を吸収するのに優れています。
- フォーム素材: 軽量で柔軟性があり、足にフィットしやすいです。
- 革素材: 耐久性が高く、長時間の使用に適しています。
中敷きの使い方:
- 試し履き: 中敷きを入れた状態でシューズを試し履きし、フィット感や快適性を確認します。歩いたり、スイングしたりして違和感がないかチェックしましょう。
- カットして調整: 中敷きが大きすぎる場合は、シューズの形に合わせてカットして調整します。
- 定期的な交換: 中敷きは使用するうちに摩耗するため、定期的に交換することをお勧めします。特にクッション性が低下した場合は、新しい中敷きに交換しましょう。
防水性と通気性
防水性と通気性を両立するのは難しいところですが、最近の技術進歩により、ある程度両立できるシューズも増えてきましたので、素材と併せて触れておきます。
選ぶ際のポイント:
- 素材の確認: ゴアテックスなどの高機能素材を使用したシューズは、防水性と通気性を兼ね備えています。これらの素材は水を弾きながらも、内部の湿気を外に逃がすことができます。
- デザインの確認: シューズのデザインも重要です。例えば、メッシュ素材を部分的に使用しているシューズは通気性が良く、蒸れにくいです。ただし、完全防水ではない場合があるので注意が必要です。
- 防水スプレーの使用: 防水スプレーを使用することで、シューズの防水性を向上させることができます。特に、通気性の良いシューズに防水スプレーを使うと、ある程度の防水効果を得られます。
本革と合成皮革と布製の比較
ゴルフシューズには革製、合成皮革製、布製があります。以下にそれぞれの特徴を挙げておきますので参考にしてください。
本革
- メリット:
- 高級感:本革は見た目が美しく、高級感があります。
- フィット感:履いているうちに足に馴染み、フィット感が向上します。
- 耐久性:適切に手入れすれば長持ちします。
- デメリット:
- 価格:他の素材に比べて高価です。
- 手入れ:定期的な手入れが必要です。
合成皮革
- メリット:
- 価格:本革に比べて安価です。
- 手入れの簡単さ:手入れが簡単で、水に強いです。
- デザインの多様性:さまざまなデザインやカラーが楽しめます。
- デメリット:
- フィット感:本革ほど足に馴染まないことがあります。
- 耐久性:本革に比べて耐久性が劣る場合があります。
布製
- メリット:
- 通気性:通気性が良く、蒸れにくいです。
- 軽量:非常に軽く、長時間のプレーでも疲れにくいです。
- 価格:比較的安価です。
- デメリット:
- 防水性:防水性が低く、雨の日には不向きです。
- 耐久性:他の素材に比べて耐久性が劣ることがあります。
まとめ
- 高級感やフィット感を重視するなら:本革がおすすめです。
- 手入れの簡単さや価格を重視するなら:合成皮革が良いでしょう。
- 通気性や軽さを重視するなら:布製が適しています。