1打目のドライバーショットが少し曲がり、カート道上に乗ってしまうことは良くありますよね。
そんな時に、無罰で救済を受けてボールを動かして良いというのは、ほとんどの方がご存じと思いますが、どう動かして良いか正しい救済方法は?というと、完全に理解されている方は少ないと思います。
ここでは、カート道等の動かせない障害物からの救済方法はどうするのか?について詳しく説明していきたいと思います。
また、ボールがカート道上に乗ってはいないものの、スタンスがカート道にかかる場合も無罰で救済を受けることが出来るのか?等の、関連する疑問についても説明していきます。
カート道上からの救済方法
カート道の上にボールが止まってしまった場合は、そのまま打つとクラブに傷が付いて傷みますので、プレーヤーは救済を受けることが出来ます。
救済の方法としては、ニアレストポイントから1クラブレングス内にボールをドロップします。
ニアレストポイントとは
プレーヤーが救済を受ける際に、障害物や異常なコースコンディションから最も近い地点を指します。
この地点は、ホールに近づかず、かつプレーヤーが通常のスイングを行える場所です。
カート道上にボールがある場合は、カートの右側がニアレストポイントなのか、左側がニアレストポイントなのか、判断に迷うところだと思います。
カート道上のボールの位置が基点となりますので、「基点からカートの右側に救済を受ける位置までの距離」と、「基点からカートの左側に救済を受ける位置までの距離」がどちらが短いかによってニアレストポイントを決定します。
この時に注意すべきなのは、ニアレストポイントを計測する際は「救済を受けて実際に使用するクラブ」で計測する必要があることです。
例えば、救済を受けて実際に使うクラブが7番アイアンだったとすれば、7番アイアンをカートの左側と右側で構えてみてスイングを行えるボールの位置が、基点から近い方がニアレストポイントとなるわけです。
1クラブレングス内とは
1クラブレングスとは、プレーヤーが持っているクラブのうち、パター以外で最も長いクラブの長さです。
通常はドライバーということになるでしょう。
1クラブレングス内の救済エリアとは、ニアレストポイントを円の中心とした角度90度の扇型のエリアになります。
この扇型の半径がドライバーの長さとなります。
ここでも注意する点は、ニアレストポイントを計測する際は、実際に使用するクラブを構えて計測し、救済エリアの広さを計測する際は、ドライバーになるという点です。
この点は、プロでも勘違いするケースがあり、先日、女子プロがトーナメントで勘違いしてペナルティを受ける事象が発生していました。
確かに分かりにくいですよね。
ドロップの方法
ボールは、膝の高さからプレーヤーや用具に触れないように真下にドロップしなければなりません。
投げたり、回転をかけたり、転がしたりしてはダメです。
1度ドロップして、救済エリア内に止まらなかった場合は、もう1度ドロップします。
2度目のドロップでも、救済エリア内に止まらなかった場合は、2度目の最初の救済エリアの地面に触れた箇所にプレース(ボールを置くこと)をしなければなりません。
スタンスがカート道にかかる場合
ボールはカート道の上には無くても、スタンスすると足がカート道にかかる場合もあると思います。
この場合も、プレーヤーが意図するスイングが出来ないと判断した場合は、救済を受けることが出来ます。
ただし、ゴルフ規則では、「スタンスの障害だけでは救済を認めないとするローカルルールを採用することが出来る」とされていますので、コースによっては救済を受けられない場合もありますので、各コースのローカルルールの確認は行いましょう。
異常なコース状態(ACC:Abnormal Course Conditions)とは
これまで説明してきましたカート道からの救済については、ゴルフ規則によりますと「異常なコース状態(ACC:Abnormal Course Conditions)」からの救済となります。
異常なコース状態とは、排水溝やスプリンクラー等の動かせない障害物や、動物の穴や一時的な水たまり等を指します。
カート道については、動かせない障害物の扱いとなっていますので、異常なコース状態とみなされ救済を受けることが出来るというわけです。
まとめ
カート道からの救済は、あくまで異常なコース状態からの救済を受けることが可能なだけで、必ず救済を受けなければならないのではありませんので、ご注意頂きたいと思います。
ただし、カート道にカートの誘導ケーブルが施設されているコースでは、カート道上のボールは必ず動かさなければならないことをローカルルールで定めていることが多いので、併せてご注意頂きたいと思います。
カート道からの救済は、ゴルフ規則で認められているものですので、最大限活用して安定したスコアメイクに繋げてください。